公益財団法人 軽金属奨学会 設立60年史
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69 図8は、STEM像の明視野像である。上側が皮材、下側が芯材で、写真中の記号はEDSによる組成分析箇所とその結果を示している。〇はAlのみ検出、□はAlとSiを検出、△はAlとMn、+はAl、Mn、Fe、その他Cu等が観察されたことを表している。芯材母相からはAlとMnが検出された。このMnは母相中に固溶されたMnであると考えられる。一方、図中の破線で示す層状領域からはAlのみが検出された。このように層状領域は皮材の凝固に起因することが明らかとなった。 層状領域を含む芯材のTEM明視野像を図9(a)に示す。図9(b)は層状領域Aに[112]晶帯軸状領域は観察されなかった。 TEM用薄膜は、芯材と皮材の接合界面を含む領域を電解研磨で80μm以下まで薄くし、過塩素酸:エタノール=3:7(容積比)電解液として、ツインジェット型電解研磨装置により電圧13V、温度-10℃の条件で作製した。TEM観察は、超高圧・超高真空・高分解能電子顕微鏡を用い、加速電圧1020kVで行い、さらに回折図形を投影して方位解析を行った。STEM観察用薄膜は、接合界面を含む領域を400μmの厚さで切り出し、機械研磨で100μm以下まで薄くした後、過塩素酸:エタノール=3:7(容積比)電解液として、ツインジェット型電解研磨装置により電圧15V、温度-5℃の条件で作製した。 STEM観察は加速電圧200kV、スポット径0.7nmで行い、エネルギー分散型X線解析装置(EDS)により組成分析を行った。図7 3003合金板表面近傍の断面組織(SEM-BEI像)図6 接合界面に存在する層状領域の拡大写真(光学顕微鏡像)図8 接合界面のSTEM明視野像とEDSによる組成分析結果図9 層状領域を含む芯材のTEM明視野像と回折図形

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