平成22年9月1日
公益財団法人 軽金属奨学会
「国と特に密接な関係がある」公益財団法人への該当性について(公表)
当法人は、国家公務員法等の一部を改正する法律(平成19年法律第108号。以下「改正法」という。)による改正後の国家公務員法(昭和22年法律第120号。以下「改正国公法」という。)第106条の24第1項第4号及び改正法附則第12条並びに独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「改正独法通則法」という。)第54条の2第1項において準用する改正国公法第106条の24第1項第4号及び改正法附則第10条において準用する改正法附則第12条、職員の退職管理に関する政令(平成20年政令第389号。以下「退職管理政令」という。)第32条及び附則第4条、特定独立行政法人の役員の退職管理に関する政令(平成20年政令第390号。以下「役員政令」という。)第18条及び附則第3条、職員の退職管理に関する内閣府令(平成20年内閣府令第83号)第9条及び附則第3条、並びに特定独立行政法人の役員の退職管理に関する内閣府令(平成20年内閣府令第84号)第8条及び附則第3条の諸規定(以下「密接関係法令」という。)に関し、「国と特に密接な関係がある」公益財団法人に[該当しない]ので、その旨公表いたします。
[本件連絡先]
電話 06-6271-3151
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私の軽金属奨学会への思いと感謝
公益財団法人 軽金属奨学会 特別顧問
京都大学名誉教授 村上陽太郎
1955年(昭和30年)1月26日(文部大臣の正式認可)、当時の東洋アルミニウム社長の小山田裕吉氏が、軽金属の業界発展に資する有為の人材の輩出と大学に於ける軽金属の研究の育成という偉大で壮大な理念に基づいて、財団法人軽金属奨学会を設立されました。私は、1953年(昭和28年)に教授なって2年たった頃で、丁度恩師の西村秀雄先生の定年退官の年でした。
財団の役員構成について小山田さんの相談を受けておられた西村先生のお考えで、ご自身は評議員、私を理事に推薦して下さったのが、軽金属奨学会との関係の最初でした。爾来、1981年(昭和56年)京都大学を定年退職する迄、理事を26年間勤め、その後評議員を29年間勤めました。今、過ぎ去った時代のことを思い出しますと、当時親しくして頂いた多くの方が既に故人になっておられますが、その方々の面影が眼前に彷彿として浮かび、誠に感無量のものがあります。
私の専門分野は軽金属で、軽金属奨学会から受けた恩恵は計りしれない物があります。特に、1961年(昭和36年)、小山田理事長の格別のご配慮で実現した、当時の西独のMax-Planck Institut FÜr Metallforschungにおける短期の滞在と、ヨーロッパ各国の研究旅行の2ケ月及び1ケ月の米国の研究旅行は、私のその後の人生と研究生活に決定的な影響をあたえたもので、当時の事を想い出すごとに感謝しています。
軽金属奨学会の発足当時は、上谷琢之さんが事務局長で、私と同い年でした。
理事は阪大から松川達夫先生と京大から私、評議員は西村先生と東大の麻田宏先生が大学側で、他には東洋アルミニウムの役員及び関係者、銀行、弁護士等、当時の若輩の私からは目を見張る様な方々が役員になられていました。上谷さん、川島浪夫さん(冶金学教室の先輩で、二代目社長)と大学側の役員とで事業の原案を議論しました。小山田理事長は端正な風貌の紳士の風格を持った方で、役員会をてきぱきと司会されていた様子が今でもありありと思い浮かんできます。会議の終了後、朝日新聞ビルのアラスカや有名な天ぷらの店等で、ご馳走して下さった事が印象に残っています。そういう時は話題が豊富で、和やかな雰囲気を作って下さいました。本当に立派な方でした。残念なことに、小山田さんは1965年(昭和40年)に急逝されました。現在の軽金属学会の「小山田記念賞」は、小山田さんのアルミニウム業界に残された生前の卓抜な功績を顕彰したいという各方面の声に応じて、当時、軽金属学会の理事を務めていた私が橋渡しの役目をして、両者で協議の結果、翌年に制定・発足したもので、私も小山田さんに多少恩返しが出来たと思っています。
金属学会(最近は材料学会と改称されているのが多い)は各国にありますが、世界的に活発な活動を続ける軽金属学会があるのは我が国だけです。大戦後、アルミニウムの業界団体であった軽金属協会の中に「軽金属研究会」という学術交流の場が設けられていて、当時、日本軽金属株式会社の社長で協会の会長でもあった安田幾久雄氏が主導しておられる事を私が知ったのは1955年(昭和30年)頃で、軽金属奨学会の発足と同じ時期でありました。その後この研究会は現在の軽金属学会に発展するのですが、それに対する軽金属奨学会の寄与は誠に大きかったと思います。軽金属奨学会の設立時からのメインの事業である教育研究資金(研究室単位、教授への助成金)及び研究補助金(助教授、講師に対する助成金)その他の助成金が、大学、研究所での軽金属に関する研究を奨励、推進するのに極めて大きく貢献し、我が国の軽金属研究の水準の向上に寄与した事は間違いない事で、その結果として軽金属学会の活動にも役立ったと思います。私は、安田氏にはWienにおける国際会議でご一緒したこともあり、大変お世話になりましたが、スケールの大きい方でありました。安田、小山田両氏の存在がなかったら、今日の軽金属学会の繁栄は無かったと思います。
軽金属奨学会は2006年(平成17年)1月に設立50周年を迎え、「設立50年の歩み」を上梓されました。この中には、財団設立の経緯、財団の草創期、財団の成長飛躍期、財団の活動実績とその功績、財団の現状と今後の展望の各章に詳細に記述されています。本書の発行から数年が経過していますが、財団は理事長初め関係者各位の努力によって着実に運営されています。私は新制度の公益財団法人への移行に際して役員の任期を満了し、今年の2月に特別顧問に選任され就任しましたが、設立以来、長年に亘り、創設者小山田裕吉氏の崇高な志が脈々として継承されてきた実際を経験し、関係者と共に歩んできた年月を回想する時、感慨一入のものがあります。財団の堅実な発展を記念して閣筆します。
2011年4月
軽金属奨学会の公益財団法人への移行に際して、私の過去に受けた恩恵
公益財団法人 軽金属奨学会 特別顧問
大阪大学名誉教授 山根 壽己
財団法人軽金属奨学会は、平成22年8月26日に、公益財団法人として内閣府から認可が下りた。これは軽金属研究の発展にとって、軽金属奨学会の長年に亘る研究資金面での寄与が大きいことが基になっているものと考えられる。
ところで、軽金属奨学会の研究補助金は年間15万円、教育研究資金は25万円と、ほかの財団に比べて1件あたりの助成は小額であるが、2年に1通以上の専門誌への論文掲載があれば毎年受給出来る。他の財団のように、申請の厳しい競争で採択に至ることはなく、計画的に、継続的に研究に取り組むことが出来る。私が、初めて研究補助金を頂いたのは昭和45(1970)年で、当時は大阪大学工学部冶金学科第3講座助教授であった。昭和46(1971)年2月に、教授昇任に伴い教育研究資金を頂くことになり、以来、平成13(2001)年3月に広島工業大学機械工学科を退職するまで、実に30年間の長きに亘り助成を受けて来た。ここに深く感謝申し上げる。
この間の研究成果として公表した論文の内、大阪大学退職が平成6年3月(1994年)であるので、それ以降の論文で軽金属奨学会からの支援を「謝辞」から見ると、以下の通りである。1994年3月大阪大学退職時には、印刷中を含めて278編の論文を公表していた。(大阪冶金会会誌、1994年第34号21ページ)その後、広島工業大学に勤務したが、早稲田大学、慶応義塾大学のような古い私立大学でも、私立大学には講座制はなく、教授一人で学部生の卒業研究、大学院生の研究の世話を見なければならない。国立大学の講座制に比べると研究業績は伸び難い環境にある。手許にある論文リストの最終番号は、350であり、72編の論文が大阪大学退職後に印刷公表されたことになる。この中、20編の論文に軽金属奨学会の支援に対する「謝辞」が記載されており、公表論文の28%になっている。広島工業大学では、科学研究費、文部省の特別研究助成-学術フロンティヤーなどで研究費の面で困ることはなかったが、軽金属奨学会の長年の支援は有効に私の研究を支えて頂いていたことを示している。
研究の質を何で計るかは問題があるが、一つの指針としては「賞、褒章」で、軽金属奨学会の支援で受けた「賞、褒章」としては、1.(社)日本金属学会第33回谷川ハリス賞「高圧力下の金属組織学的研究」平成6年(1994年)3月受賞。2.(社)日本金属学会第43回論文賞「高圧力下におけるAl-Cu-Mg合金中の相互拡散」(平成7年(1945年)12月受賞、日本金属学会誌、Vol.59(1959)No.12,p.1364-1371、「謝辞」は軽金属奨学会グループ研究の支援となっている。3.平成8年春 紫綬褒章受章。
「材料組織学的研究」論文の内、Al関係の論文は35%であるが、現在はTi系も入れているので、Ti関係の論文も入れると73%が軽金属奨学会の支援となる。
以上、種々申し述べてきたように、軽金属奨学会の研究支援は私の研究生活の大きな支えとなり深く感謝している。これは、「小額で長く支援をする」軽金属奨学会の姿勢にあり、今後共、研究者への支援の継続を心より願うものである。
2011年5月
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